お城用語でちょいちょい出てくる「普請」(ふしん)というのをご存知ですか?
本記事では、普請の基本的なことを解説していきます。
この解説を読んで理解できるとお城巡りの見方が変わりますよ。
お城巡りをするなら必見です。
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普請(ふしん)とは?
城づくりにおける「普請」(ふしん)とは、築城のための土木工事のことです。
敵の侵入を食い止めるには、堀を掘る、高い障害物を築くしかありません。
この土木工事、つまり、堀や土塁、石垣を作ることを普請と言うのです。
また、曲輪の造成も普請に含まれ、築城工事の大半を占めていました。
普請には多数の労働力が必要でした。
その一方で、城門や櫓、御殿、天守などを立てることを作事(さくじ)と言います。
つまり、土木工事が普請で、建築工事が作事です。
「城普請」(しろぶしん)という言葉がありますが、城の土木工事のことで、城づくりは土木工事が主、建築工事は付属といえます。
このように見てみると、城は普請そのものということもできます。
天下普請(てんかぶしん)
お城巡りをしていると「天下普請」(てんかぶしん)という言葉も見聞きします。
これは何かというと、江戸幕府が全国の大名に命令して行わせた普請=土木工事のことです。
いわゆる天下普請というと城普請を指しますが、道路整備や河川工事などのインフラストラクチャー整備などの工事も含んでいます。
天下普請で建てられた城郭
天下普請で建てられた城郭を列挙します。
・江戸城(武蔵国、東京都):1603年~1614年(慶長期天下普請)
・名古屋城(尾張国、愛知県):1609年~1612年
・高田城(越後国、新潟県):1613年~1614年
・駿府城(駿河国、静岡県):1607年~1608年
・伊賀上野城(伊賀国、三重県):1611年~1615年
・加納城(美濃国、岐阜県):1602年~1603年
・福井城(越前国、福井県):1601年~1607年
・彦根城(近江国、滋賀県):1603年~1606年
・膳所城(近江国、滋賀県):1601年
・二条城(山城国、京都府):1601年~1606年
・丹波亀山城(丹波国、京都府):1609年~1610年
・篠山城(丹波国、兵庫県):1609年
・大坂城(摂津国、大阪府):1620年~1629年
まとめ
城づくりにおける「普請」(ふしん)とは、築城のための土木工事のことで、城づくりそのものといっても過言ではありません。
お城巡りのときにこの土木工事の跡を巡ってみるのも楽しいと思いますよ。
ということで、普請についてのお話でした。
じゃあね🖐️
2019年10月13日
犬山城マイスター!たかまる。