お城の石垣についてまとめてみました。
お城めぐりの楽しみの一つにもなっている石垣。
石の加工の仕方や積み方などを知れば、お城の見方が変わるはず!
だから基礎知識からおさらいしておきましょう。
あなたも石垣の違いを語れるようになるかも?
お城の石垣は奥が深い!-石垣を知ればお城めぐりが楽しくなる。
お城の石垣についてまとめてみました。
お城めぐり上級者の方には、石垣は楽しみの一つにもなっていますよね。
まだ石垣の魅力に取りつかれていない初心者の方もいるかもしれません。
でも最近では、石垣からお城ファンになっている方も増えているとか。
そんな奥深い魅力たっぷりの石垣の「基礎知識」をまとめてみました。
「ただの石」を「素晴らしい石垣」に変えるためにも基礎知識は大事です。
石の加工の仕方や積み方などを知れば、お城の見方が変わるはず!
以下にまとめてご説明します。
石垣の構造
石垣の構造は、下の図のように描くことができます。
地面を掘って根石(ねいし)を固定し、その上に積石(つみいし)を積み上げていきます。
積石の後ろには飼石(かいいし)を挟んで固定と角度の調整を行い、その後ろには裏込石(うらごめいし)=栗石(ぐりいし)を詰め込みます。
石垣は天端いっぱいまで積み上げられて、完成。
これが石垣の基本構造です。
積石の加工による分類
石垣は積石の加工による分類があります。
つまり、積石(つみいし)の加工によって石垣は3種類に分けられるのです。
- 野面(のづら):自然石のほとんど加工していない石を使ったもの
- 打込接(うちこみはぎ):積石の接合部分を加工して隙間を減らしたもの
- 切込接(きりこみはぎ):積石を徹底的に加工して隙間がないようにしたもの
の3種類です。
積石の積み方による分類
石垣には石の積み方による分類があります。
つまり、石垣の積み方は大きく分けて2種類あります。
- 布積み(ぬのづみ):横目地の通っている
- 乱積み(らんづみ):横目地が通っていない
です。
石垣の分類
石垣は石の加工による分類3種類と積み方による分類2種類を組み合わせると、およそ6種類に分けられます。
つまり、石垣の分類は
- 野面布積み(のづらぬのづみ)
- 野面乱積み(のづららんづみ)
- 打込接布積み(うちこみはぎぬのづみ)
- 打込接乱積み(うちこみはぎらんづみ)
- 切込接布積み(きりこみはぎぬのづみ)
- 切込接乱積み(きりこみはぎらんづみ)
の6種類です。
石垣の仕上げ
城の石垣の表面を美しく見せるために、仕上げ段階で化粧が施されているものがあります。
石垣の仕上げの方法は、少しずつ鉄ののみで打ち欠く方法です。
1cmほどの小さな「はつり」をまんべんなくするのを「はつり仕上げ」と言います。
すだれ状の縦筋に削っていくのを「すだれ仕上げ」と言います。
石垣の反りと勾配
より高く積むために、石垣の反り(そり)と勾配(こうばい)に工夫が凝らされました。
初期のころはほぼ垂直に積まれていた石垣ですが、さらに高く積もうということでゆるい勾配が付けられるようになりました。
また、高く積むことができるようになると反りをつける場合とつけない場合とが出てきました。
反りを持つ石垣を「扇の勾配」や「寺勾配」、反りのない石垣を「宮勾配」と呼びます。
鉢巻石垣と腰巻石垣
すべてを石垣にすると、石の調達から加工、土木工事まで時間と費用が掛かってしまうため、必要なところだけを石垣にする工夫もされました。
その代表なのが、鉢巻石垣(はちまきいしがき)と腰巻石垣(こしまきいしがき)です。
鉢巻石垣とは土塁の上部にだけ作った石垣のことです。
腰巻石垣とは鉢巻石垣の逆で、土塁の下部にだけ造った石垣です。
石垣のおすすめ本
石垣のことが気になり始めたあなたにピッタリの本を紹介します。
以外と石垣の本って種類が少ないんですよね。
だけど、秀逸な本ばかりです。
なので著者は、ここに紹介する本は全部持ってます(笑)
まとめ
石垣についてざっとまとめてみました。
いかがでしたでしょうか?
石垣の基礎知識は理解できたと思います。
特に、「積石の加工による分類」と「積石の加工による分類」をよく理解して、6種類の「石垣の分類」を頭に入れておくと、いろいろなお城に行ったときに石垣の違いに目が行くはずです。
そうなったら、この記事で読んだ石垣の基礎をフル活用して、石垣の状態を観察しつつ、年代などを推測してみるなどして楽しんでみてください。
打込接と切込接を見分けられたら上級者です。
次は勾配にも注目してみてみましょう!
ということで、お城の石垣は奥が深い!石垣を知ればお城めぐりが楽しくなる。というお話でした。
じゃあね🖐️
2020年02月10日
犬山城マイスター!たかまる。