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【お城の基礎】天守の破風の構造

破風(はふ)とは屋根の両端にできる妻壁(つまかべ)の先端部分のことを言います。

簡単に言うと屋根の三角形の部分です。

その破風の構造は意外と複雑になっているそうです。

今回はその構造を少しだけ覗いてみましょう。

破風(はふ)とその周り

破風の上に載るもの

屋根の端の部分が破風なので、その上には軒丸瓦(のきまるがわら)や鬼瓦(おにがわら)などが載っています。

天守最上重は必ず入母屋屋根なので入母屋破風がありますが、その上には鯱瓦(しゃちがわら)が載っています。

破風の先端

破風の先端には破風板(はふいた)と呼ばれる板が取り付けられます。

左右の破風板が接するところは拝み(おがみ)と呼ばれています。

その拝みには飾りとして、懸魚(げぎょ)が取り付けられています。

破風板の表面仕上げは、白漆喰の塗籠、白木、黒漆塗り、銅板張りなどがあります。

妻壁(つまかべ)

妻壁は、採光のために窓を開けたり、木連れ格子という格子を組んだり、波形の模様を刻んだりするなど、様々な意匠が施されています。

▲ 彦根城天守の例。破風は左右の破風板とその頂部の拝み、そこから下がる懸魚、その奥にある妻壁などから構成されている。

望楼型天守と層塔型天守での破風の違い

天守の二つの形式である望楼型(ぼうろうがた)天守と、層塔型(そうとうがた)天守とで破風の違いを見てみましょう。

望楼型天守

望楼型天守は、一重目または二重目が入母屋造りになっており、入母屋屋根の部分は真っ暗です。

そのため、屋根裏に明かり取りのための窓を設ける必要がありました。

そこで考えられたのが出窓です。

そして、その出窓の屋根には千鳥破風(ちどりはふ)や切妻破風(きりつまはふ)、唐破風(からはふ)などがつけられました。

その結果、望楼型天守は一重目又は二重目の入母屋破風、最上重の入母屋破風も含めてたくさんの破風ができたため、とても派手な外観になりました。

層塔型天守

慶長期(けいちょうき=1596年から1615年)に入ると層塔型天守が主流になります。

そうすると一重目または二重目にあったはずの入母屋屋根がなくなってしまいました。

そのため、破風がない天守になってしまいました。

層塔型天守についてはコチラを ↓↓↓↓

しかし天守の装飾や格式のため、破風を多く並べるようになっていきました。

入母屋破風がなくなったので、逆に自由に破風を取り付けることができ、千鳥破風や比翼千鳥破風(ひよくちどりはふ)、唐破風などを、思考を凝らして配置していったのです。

破風の種類についてはコチラを ↓↓↓↓

まとめ

破風とその周りの構造をご紹介しました。

お城巡りをするのには、これ以上詳しく知っている必要はあまりないと思いますが、一応の知識として理解しておくと天守や御殿などを見るポイントがちょっと変わってきて、面白いと思いますよ。

私も以前は懸魚とか妻壁にはあまり目がいかなかったですが、最近はそのあたりが気になっています(笑)

ということで、破風とその周りの構造のお話でした。

じゃあね🖐️

2019年07月04日
犬山城マイスター!たかまる。

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