現存する12天守以外に現在見られる天守は、全て再建された天守です。
それらの再建された天守は、復元天守、外観復元天守、復興天守、模擬天守に分類されます。
その中で今回は、かつての天守を忠実に再現することを目指した復元天守について見てみましょう。
復元天守と外観復元天守
現存している天守は十二城です。
「現存十二天守と国宝五城」
それ以外の再建された天守のうち、史実に基づいた復元を目指したものがあります。
それを、史実に基づいた復元を目指した「復元天守」と、外観を史実にできるだけ近づけた「外観復元天守」と呼びます。
復元天守(ふくげんてんしゅ)
かつて天守があった場所に、内部も外観も同じ姿で再建したものを「復元天守(ふくげんてんしゅ)」と言います。
現在、復元天守として再建されたのは、
白河小峰城(しらかわこみねじょう)(福島県)
白石城(しろいしじょう)(宮城県)
掛川城(かけがわじょう)(静岡県)
新発田城(しばたじょう)(新潟県)
大洲城(おおずじょう)(愛媛県)
などがあります。
復元天守を造ろうと思うと、天守の外観や内部の詳しいことが分かる資料が必要になります。
例えば古写真や、天守が造られたときの指図や、修理を行ったときの指図などです。
これらの資料をもとに再建するための図面を作成していくのです。
また文化庁の許可も必要になってきます。
さらに江戸時代に築城された時と同じ方法で造らなければいけません。
今ではこれらの伝統工法で作れる職人が減っているため、復元天守を造ることをさらに難しくさせています。
木造による本格的な復元としては、白河小峰城が初めてです。
外観復元天守(がいかんふくげんてんしゅ)
外観復元天守は、鉄筋コンクリート造りでありながら、外観はかつての天守の姿に非常に近いものです。
これらは昭和30年代以降の天守復元ブームによって、多くの外観復元天守が建てられました。
例えば、
松前城(北海道)
会津若松城(福島県)
名古屋城(愛知県)
大垣城(岐阜県)
和歌山城(和歌山県)
岡山城(岡山県)
福山城(広島県)
広島城(広島県)
熊本城(熊本県)
などがあります。
ほとんどの場合、内部は歴史資料館などとして利用されています。
▲ 大垣城外観復元天守。天守が現存していたが昭和20年の空襲で焼失。その後、RC造で復元した。
▲ 広島城外観復元天守。天守が現存していたが昭和20年に焼失。その後、RC造で復元した。(写真:たかまる。)
▲ 名古屋城外観復元天守。国宝天守が現存していたが昭和20年の空襲で焼失。その後、RC造で復元した。(写真:たかまる。)
また、2019年現在、外観復元天守である名古屋城天守を木造復元することを目指して名古屋市が進めています。
これは外観だけでなく、木造で内部の構造も史実に忠実に再現しようという試みです。
現存十二天守
現存十二天守は江戸時代に建てられた天守を、整備や修繕を行いながら今に伝えるものです。
犬山城天守もその一つであり、国宝にも指定されています。
かつてはたくさんあった天守も、残っているのはたったの12。
とても貴重な存在であることは言うまでもありませんね。
まとめ
現存天守以外に再建された天守のうち、史実に基づいた復元を目指した「復元天守」と、外観を史実にできるだけ近づけた「外観復元天守」と呼びます。
復元天守は木造で内部も外観も復元したもので、白河小峰城天守、新発田城天守などがあります。
外観復元天守は鉄筋コンクリート(RC造)で外観を復元したもので、広島城天守、名古屋城天守などがあります。
お城巡りのときに、復元天守かどうかなども要チェックですね。
ということで、史実に基づいた復元を目指す復元天守のご紹介でした。
じゃあね🖐️
2019年07月11日
犬山城マイスター!たかまる。