何気なく見ている天守でも、じっくり見ると違いが見えてきます。
犬山城天守の外壁は、階によって種類が異なります。
時代背景もあったでしょうし、シンボルとしての見え方を考えてのことかと思います。
一つずつ見ていきましょう!
犬山城天守の外壁は白漆喰総塗籠、下見板張り、真壁造りの3種類あって多彩だ。
- 一階は白壁の半分下が黒い板の「下見板張り」(したみいたばり)
- 二階は白壁の「白漆喰総塗籠」(しろしっくいそうぬりごめ)
- 最上階は柱などがむき出しの「真壁造」(しんかべづくり)
犬山城天守の外壁は、一階は白壁の半分下が黒い板になっている「下見板張り」(したみいたばり)、二階が白壁の「白漆喰総塗籠」(しろしっくいそうぬりごめ)、四階が柱などがむき出しになっている「真壁造」(しんかべづくり)となっています。
動画でサクッと解説していますので、まずはこちらをどうぞ。
詳しく見ていきましょう。
下見板張り
土壁の外側に板を横方向に張りながら、少しずつ上に重ねていったものです。
板には、煤(すす)と柿渋(かきしぶ)を混ぜて作った墨を塗ってあるため、黒くて武骨な外観になっています。
墨は防腐剤としての役割で、耐久性を上げるためです。
犬山城天守では、一階部分と最上階に使われています。
白漆喰総塗籠
土壁の表面を白漆喰(しろしっくい)で仕上げたものです。
白く優美な外観となり、城主の権威を示すにはふさわしい仕上げです。
下見板張りよりも遅れて使われ出した(織田信長、豊臣秀吉のころは黒くて、徳川のころは白いという説)と言われていますが、時代的な差はほとんど見られないということがわかっているんだそうです。
見映えはよいのですが耐久性はあまりなく、漆喰が水分を吸収するために20年ぐらいで剥がれ落ちてしまうそうです。
犬山城天守では、二階部分が白漆喰で仕上げた外壁になっています。
真壁造り
天守の外壁は、柱を見せない構造の大壁造(おおかべづくり)が基本ですが、最上階では白木の柱や長押(なげし=柱から柱へ渡して壁に取り付ける横木)を見せる構造を真壁造(しんかべづくり)といいます。
お寺や神社の建物で使われていましたが、天守の最上階で使うというのは格式を高める目的と考えられます。
現存天守では犬山城と丸亀城、復元・復興天守でも広島城などぐらいでしょう。
他の現存天守の外壁は?
やはり、下見板張りは松本城天守でしょう。
烏城(からすじょう)とも呼ばれています。
他には、丸岡城、松江城、松山城、丸亀城、備中松山城、彦根城があります。
白漆喰総塗籠なら姫路城。
その他には、弘前城、宇和島城、高知城などです。
先ほども出てきましたが、真壁造は丸岡城と犬山城だけですね。
外壁に注目してみると新たな発見があるかもですね。
まとめ
- 犬山城天守の外壁は3種類ある
- 白漆喰惣塗籠、下見板張り、真壁造り
- これだけ揃っているのは珍しい
犬山城天守の外壁は白漆喰惣塗籠、下見板張り、真壁造りの3種類もあって多彩だね、というお話でした。
じゃあね🖐️
2019年06月14日
犬山城マイスター!たかまる。