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犬山城天守は平成・令和の工事が完了してピカピカになりました!【工事完了記念2020年1月まとめ】

国宝犬山城天守が保存修理工事を行っていましたが、2019年12月末でもって完了いたしました。

耐震補強として壁や天井の見えない部分に補強材を入れたほか、漆喰(しっくい)を塗りなおしたり板材を塗りなおしたりして、外観もキレイになりました。

すべての工事が終了したので、まとめます。

犬山城天守は平成・令和の工事が完了してピカピカになりました!【工事完了記念2020年1月4日】

写真:たかまる。

  • 国宝犬山城天守は2か年計画で保存修理工事を実施
  • メインは耐震補強
  • 外壁や板材などの塗り直しも実施
  • 2019年12月末でもって、すべての工事が完了

国宝犬山城天守は、平成30年度と令和元年度の二年間をかけて保存修理工事を行いました。

目的は、

  1. 耐震補強
  2. 外部、内部ともに修繕を行う

です。

工事によってキレイになったところをピックアップして、まとめておきます。

耐震補強

強く、キレイになった犬山城天守(写真:たかまる。)

  • 耐震診断の結果、直ちに倒壊しないけど弱いところがあった
  • この結果に基づいて耐震補強工事を実施
  • 無事、終了しました

まずは主目的である耐震補強。

2012年度から実施した耐震診断の結果、震度6強の地震で「直ちに倒壊しないが、部分的に耐震性能が不足する」と判定されていました。

そこで今回、以下のことを実施しました。

  • 二階の床に構造用合板を入れて補強
  • 三階と四階の壁の内部にも構造用合板を入れて補強
  • そこが構造的に弱いと診断されていた個所

工事内容が書かれた掲示がありました(写真:たかまる。)

3階・4階は唐破風の窓、廻縁への扉があるため、他の階に比べて壁の面積が少なくなっています。そのため、その開口部の両脇の壁内部に構造用の合板を取り付け、地震の横揺れへの耐性を高める工事をしました。

工事中は内部に入ることができないため、その様子の写真はありません。

華頭窓の壁の内側に構造用合板が入れられている(写真:たかまる。)

ここの壁の内側に構造用合板を入れて補強してあります。

実際に現場に行っても、以前と変化があるわけではありません(例えば壁の厚みが変わっているとか、壁の形が変わっているとか、外に板が貼ってあるとか、そういうことはしていない)。

内側から見ても、壁を塗りなおしているということぐらいしかわかりません。

キレイに仕上げています。

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外部の修繕

漆喰の白と下見板張りの黒のコントラストに加え、木曽川や伊木山、青空も見事!(写真:たかまる。)

  • 4階の廻縁の外壁と下見板の塗り直し
  • 最上重の入母屋破風の破風板の塗り直し
  • 二重目の大入母屋破風の外壁の塗り直し
  • 一重目の下見板の塗り直し
  • 窓の扉、窓枠の塗り直し
  • 丸瓦の葺きなおし

外部は、白と黒のコントラストがくっきりとして、とてもきれいに仕上がっています。

前回の「昭和の大修理」が昭和36~40年(1961~65年)ですので、実に五十数年たっていて、傷みや汚れが目立っていました

しかし、それらもキレイに修繕されてピカピカです。

4階廻縁の外壁と下見板の塗り直し

4階の外壁と下見板張りの塗り直しも完了した(写真:たかまる。)

4階の廻縁の外壁と下見板を塗り直しました。

白と黒のコントラストが見事です。

ちなみに、壁はセメントではないか?という疑惑がありましたが、今回の修繕で「砂しっくい」であることも判明しました。

疑惑が払しょくされて良かったですね(笑)

最上重の入母屋破風の破風板の塗り直し

最上重の入母屋破風の破風板の塗り直しもキレイに完了(写真:たかまる。)
塗り直し前。日に当たって剥げていた(写真:たかまる。)

最上重の入母屋破風の破風板も塗り直してキレイになりました。

いままで太陽の光や雨風にさらされて白くはげてしまっていましたが、趣のある重厚な感じに化粧がされた状態です。

懸魚(げぎょ)もきれいに塗り直されているので、ここは見落としがちなところですが、ぜひ見て欲しいところでもあります。

二重目の大入母屋破風の外壁の塗り直し

大入母屋破風の汚れも落として塗り直しがされた。(写真:たかまる。)
塗り直し前。とても汚れていた。(写真:たかまる。)

二重目の大入母屋破風の外壁も汚れが目立っていましたが、壁をキレイに塗り直し、窓の扉もキレイになりました。

特に東側の大入母屋破風の汚れが目立っていたので、ここがキレイになったのは筆者はとてもうれしいです。

写真映えが良くなりましたよ!

一重目の下見板の塗り直し

一階の下見板張りの塗り直しも終わり、黒が鮮やか。(写真:たかまる。)
一階の下見板の塗り直し前。剥げて茶色になっていた。(写真:たかまる。)

一重目の下見板の塗り直しを行いました。

下見板も日に焼けて剥げていましたが、白と黒のコントラストがくっきりとしました。

この塗り直しはとても良かったですね。

全体的に剥げていて、人によってはもともと茶色でしょ?という方も見えましたが、元の姿に戻ったと思います。

一重目の外壁すべてが下見板張りになっていましたので、この塗り直しによって印象が大きく変わるほどです。

凛々しくなったように見えますね!

窓の扉、窓枠の塗り直し

窓もキレイに修繕された。(写真:たかまる。)
工事前。わかりにくいかもしれないが、窓の扉などが痛んだり、色が剥げたりしていた。(写真:たかまる。)

全体的に窓の扉も剥げたり汚れたりしていましたが、すべて塗り直しキレイな状態になっています。

細かいところですが、こういうところの修繕が行われているかどうかで全体の見た目が変わってきます。

とても良かったと思います。

丸瓦の葺きなおし

丸瓦の葺きなおしをしたが、どこを直したのかまではわからないかも。全体的にキレイになりました。(写真:たかまる。)

丸瓦のずれが見つかったということで、葺きなおしと補強がされました。

が、正直なところ、瓦が多くてどこを修繕したのかは、パッと見たところではたぶんわからないです。

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内部の修繕

内壁の塗り直しも行われ、キレイに明るくなった。(写真:たかまる。)

  • 階段の踏み板の補強
  • 壁の塗り直し
  • 窓の修繕と塗り直し
  • 階段手すりの延長
  • 四階「高欄の間」のじゅうたんの取り換え

また内部も、内壁の漆喰の塗り直しや階段の踏み板の補強などを行い、とても明るく感じます。

階段の踏み板の補強

階段の踏み板も修繕した。わざと無垢のままで色は塗っていない。(写真:たかまる。)
修繕前。踏み板も相当痛んでいた状態。(写真:たかまる。)

階段の踏み板は多くの来場者ですり減って摩耗していましたが、地下二階から三階までの45段に厚さ2.4センチの新しいヒノキ材を重ねて補修しました。

使ったヒノキは新材で、色は塗っていません

「古城にあわない」との指摘もあるようですが、色を塗ると靴下に色が移ってしまうため、あえて色は塗らなかったとのこと。

長い年月が経つと木の色は変わっていきますので、それも楽しみの一つということで。

壁の塗り直し

内壁もピカピカ(写真:たかまる。)
キレイな仕上げ(写真:たかまる。)

内部の壁の塗り直しや修繕を行いました。

壁は白くなり、とても明るく感じます。

窓の修繕と塗り直し

窓枠などの細かいところも修繕された。(写真:たかまる。)

細かいところですが、窓枠や窓の修繕と塗り直しも行いました。

東南隅付櫓の窓の修繕も完了。(写真:たかまる。)

特に、東南隅付櫓の南面の窓がしばらく閉じられた状態だったのですが、修繕により開閉できるようになったようで、久しぶりに窓が開けられていました

階段手すりの延長

階段の手すりが延長され、壁には透明のプラ板が貼られた。(写真:たかまる。)
以前は壁に手をつくことによって壁が削られ、汚れもひどかった。(写真:たかまる。)

来場者の安全性と、壁に手をついて汚れたり剥がれ落ちたりするのを防ぐため、階段の手すりを延長し、壁に透明の板を貼ってあります

これは正直なところ、見た目にあまりよくないと思います。

が、上のような目的なので仕方ないところか…

四階「高欄の間」のじゅうたんの取り換え

じゅうたんも取り換えられて新品に。(写真:たかまる。)

四階のじゅうたんの取り換えも行われました。

以前は日にあたったりして剥げたり、シミになったりしていた(写真:たかまる。)

すり減ったり剥げたりしていたので、新しくなってキレイです。

銘板が取り付けられています

「令和元年十二月 部分修理・耐震補強」の銘板が取り付けられている。(写真:たかまる。)

最後に、工事完了の証として銘板が取り付けられていました。

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まとめ

写真:たかまる。

  • 国宝犬山城天守は2か年計画で保存修理工事を実施
  • メインは耐震補強
  • 外壁や板材などの塗り直しも実施
  • 2019年12月末でもって、すべての工事が完了

五十数年ぶりに行われた大規模工事。

「平成・令和の大修理」も2019年12月末で完了しました。

2020年が一番ピカピカな犬山城天守です。

ぜひ足を運んで観に来てください!

ということで、犬山城天守は平成・令和の工事が完了してピカピカになりました!【工事完了記念2020年1月まとめ】でした。

じゃあね🖐️

2020年1月10日
犬山城マイスター!たかまる。

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