天守は最終防衛拠点なので、様々な防御設備が施されています。
接近してきた敵に対して攻撃を仕掛けるためのものが、石落としです。
犬山城天守にも袴腰型の石落としが二ヶ所あります。
それぞれ見てみましょう。
犬山城の石落としは袴腰型(はかまごしがた)
犬山城天守の石落としの形は、下にいくにつれて広がった形をしています。
これを袴腰型(はかまごしがた)と言います。
袴のような形から、そう呼ばれるようになったとか。
東北隅と西北隅の両方とも袴腰型です。
石落としはどこにあるのか?
犬山城の場合、石落としは天守のどこについてるのでしょうか?
それは、天守の西北隅と東北隅です。
南側にはありません。
▲ 西北隅の石落し
なぜ、北側だけにあるのか?
では、なぜ北側にだけ石落としがあるのでしょうか?
理由を考えてみましょう。
北側には木曽川が流れている後堅固なお城で、本丸はその北端に位置しています。
が、逆にいうと北側はちょっとした死角になりそう。
それに、木曽川を挟んで向こう側は美濃国(犬山城は尾張国)なので、犬山城は境目の城です。
なので、防御力を高めておかなければいけなかった。
そういう危機感の表れでもあったのかもしれません。
石落としの役割
石落としは、その名前から石を落として敵を撃退すると思われがちですが、実際には隙間が20cmほどしかないため、大きな石は落とせません。
実は、鉄砲を下に向けて撃つための一種の狭間(さま)なのです。
鉄砲の銃身が入り、敵から侵入されない程度の幅に造られています。
石落しの種類
では、石落しの種類もご紹介しましょう。
戸袋型(とぶくろがた)
雨戸を納める戸袋状に突き出した形の石落とし。
丸亀城天守が現存例です。
出窓型(でまどがた)
出窓の床下を石落としにしたもの。
弘前城や金沢城に見られます。
袴腰型(はかまごしがた)
外壁を斜めに作って床を張り出す形。
犬山城天守に代表される形で、松本城天守などにもついています。
ほかの天守とも見比べてみると面白いですね✨
まとめ
犬山城天守には袴腰型の石落としが二ヶ所ついているよ、というお話でした。
じゃあね🖐️
2019年06月12日
犬山城マイスター!たかまる。