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犬山城・切岸(きりぎし)

犬山城がある通称・城山の東側と西側に切岸(きりぎし)というものがあるのをご存知でしょうか

切岸というのは人工的に斜面を削って作った断崖のことです。

どこにどのようにあるのかご紹介したいと思います。

切岸(きりぎし)とは?

切岸(きりぎし)とは、山の斜面を人工的に削って断崖としたものです。

敵を寄せ付けないための防御設備の一つで、山の城ではよく見られるものです。

構造的には至ってシンプルですが、そこから敵が侵入できないという意味では最強の防御施設と言えます。

犬山城の切岸はどこにあるのか?

犬山城にも切岸がありましたが、どこにあるのでしょうか

答えは城山の東側の中腹と西側の中腹です。

下の図に書かれているのが切岸の推定ラインです。

▲ 切岸推定ライン。犬山城総合調査報告書を基に作図。(図:たかまる。)

犬山城の東側切岸

犬山城の東側切岸の特徴は、平坦地を挟んで二段構成となっている点です。

上段の切岸は高さ約4.5 m、傾斜が約70°の急斜面です。

その下に幅約3.5 mの平坦面があります。

下段の切岸は高さ約2.5 m、傾斜は約60°の急斜面です。

その下に幅が約1 mの平坦地があります。

東側の切岸が二段構成になっているというのが最大の特徴ではないでしょうか。

犬山城の城山はチャートというとても硬い岩盤で、それを連続的に削って高い切岸とするのが難しかったのか、二段とすることで強力な防御と見せるためなのか。

いずれにしても東側から攻め登るのは不可能と言っても過言ではありません。

▲ 東側の切岸断面図のイメージ。犬山城総合調査報告書を基に作図。(図:たかまる。)

犬山城の西側切岸

犬山城西側の切岸は本丸と樅の丸(もみのまる)の西側の空堀に接しており、人工的に岩盤が削られた跡が残っています。

その角度は約45°です。

堀と組み合わせているところが特徴で、約3 m から4 m 程度の高さはあったと考えられます。

西側の本丸と樅の丸に直接上がって来れないように、岩盤を削って切岸を作ったと考えられます。

さらには、その下に横堀と土塁をめぐらせて敵の侵入をさらに困難なものにしています。

▲ 西側の切岸断面図のイメージ。犬山城総合調査報告書を基に作図。(図:たかまる。)

今は見学不可

残念ながらこれらの切岸は今は見学が出来ません。

山全体が樹木などに覆われており、足場も悪くて危険だからです。

特別な許可が得られた方は見に行くことができるかもしれませんが、普段は見ることができないので残念です。

今後、犬山市を中心に犬山城跡整備復元計画の策定とそれに基づく復元が整備がされていくものと思いますが、是非とも切岸の間近まで行けるように見学ルートの整備をしていただきたいと思います。

▲ 城とまちミュージアムにあるジオラマには切岸が復元されている。中腹の山肌が見えているところが切岸だ。(写真:たかまる。)

▲ 特別なツアーに参加したときに切岸を見学することができた。普段は立ち入り禁止区域なので注意が必要。(写真:たかまる。)

まとめ

犬山城の通称・城山と言われる山の東側と西側の中腹には、チャートという岩板を人工的に削って急峻な崖とした切岸(きりぎし)があります。

今は見学することができませんが、将来的には見学できるようになると期待しています。

ということで、犬山城にある切岸という人工的な崖についてご紹介しました。

じゃあね🖐️

2019年10月10日
犬山城マイスター!たかまる。

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