城の中で最も防御を重要にしなければいけないところは、出入り口=虎口(こぐち)です。
なぜならそこに敵兵が攻めてくるからです。
防御の工夫がいろいろとされている出入り口=虎口について、深掘りしていきます。
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城の防御の要といえば出入り口=虎口(こぐち)
- 城の防御でとても重要なのは、出入り口=虎口(こぐち)
- 出入り口は様々な工夫が凝らされている
- 平入り虎口、一文字小口、食い違い虎口、外枡形虎口、内枡形虎口、馬出しなどがある
城の防御においてとても重要な場所は、出入り口=虎口(こぐち)です。
石垣や土塁、堀などで城を囲うと、城へ出入りするところは出入り口だけになります。
そのため出入り口に敵兵が攻めてくることが容易に想像できます。
そこで出入り口は城の防御の要として様々な工夫が凝らされています。
出入り口の種類としては
- 平入り虎口(ひらいりこぐち)
- 一文字小口(いちもんじこぐち)
- 食い違い虎口(くいちがいこぐち)
- 外枡形虎口(そとますがたこぐち)
- 内枡形虎口(うちますがたこぐち)
- 馬出し(うまだし)
などがあります。
以下では、これらについて深掘りしていきます。
様々な出入り口=虎口
ここでは様々な出入り口=虎口の種類と特長についてまとめます。
平入り虎口(ひらいちこぐち)
城壁に入り口を開けただけの最も簡単な出入り口です。
城内が簡単に敵に見通されてしまいます。
そのため門を設置したりして防御力を高めました。
一文字虎口(いちもんじこぐち)
平入り虎口をの防御力を高めるために考え出されたものです。
入り口を隠すように城内と城外に蔀(しとみ)という障害物が置かれます。
これにより敵兵は中が見えないだけでなく、入ろうとすると何度も方向を変えたりしなければならなくなり、防御力が上がりました。
食い違い虎口(くいちがいこぐち)
通り道を屈曲させて、敵が真っ直ぐに進むのを阻止した形の出入り口です。
敵の進行方向に対して塀があるため、城内から敵兵を攻撃する事が可能でした。
外枡形虎口(そとますがたこぐち)
城外に四角い広場のような枡形空間を設置したものです。
屈曲しているだけでなく門を二つ設置することによって、枡形という空間ができます。
ここは敵を殲滅するための空間とも言えます。
これらの枡形虎口は、主に西日本で発達してきました。
そのため西日本の城跡にはこの枡形虎口の跡が多数残っています。
内枡形虎口(うちますがたこぐち)
枡形が城内に設置されたものです。
2箇所に城門が設置され、さらにそれは直角についているのが特徴です。
外側の門を締め切ると城壁と一体化するため、とても防御力が高かったのです。
さらに門を突破されたとしても枡形空間が内側にあるため敵を殲滅することができました。
これらの枡形虎口は、主に西日本で発達してきました。
そのため西日本の城跡にはこの枡形虎口の跡が多数残っています。
馬出し(うまだし)
枡形空間を堀の対岸に押し出し、さらに堀で囲ったり、土塁や石垣などで囲ったりしたものを馬出しといます。
馬出しには角馬出し(かくうまだし)と丸馬出し(まるうまだし)があります。
敵兵は馬出しがあると場内から攻撃を受けるため、一度に攻めるのが難しくなります。
さらに出入り口が側面にあるため、一度に大勢で攻めることがなかなか難しかったのです。
馬出しは主に東日本で発達しました。
特に武田氏の城に代表されることが多いです。
まとめ
- 城の防御でとても重要なのは、出入り口=虎口(こぐち)
- 出入り口は様々な工夫が凝らされている
- 平入り虎口、一文字小口、食い違い虎口、外枡形虎口、内枡形虎口、馬出しなどがある
城の防御の要として出入り口は様々な工夫が凝らされていました。
簡単な一文字虎口だけでなく、食い違い虎口や枡形虎口、馬出しといった攻撃力も備えた防御施設として発達してきました。
明治維新によって城は廃城になり、堀や枡形虎口、馬出しは都市開発の邪魔な空間として埋められたり破壊されたりしているものが多いですが、それでも多くの城跡に残されているものがあります。
門をただ過ぎるだけでなく、どういった種類の出入り口なのかをじっくりと堪能しながら通ってみると、お城めぐりがより一層楽しいものになると思いますよ。
ということで、城の防御の要といえば出入り口=虎口というお話でした。
じゃあね🖐️
2020年02月02日
犬山城マイスター!たかまる。