櫓は城郭にとって、防衛上、とても大きな役割があります。
そして、戦術的に配置されています。
櫓のネーミングは、その位置によっては方位で名前が付けられました。
今回は櫓の名称と方位について考えてみたいと思います。
櫓を方位で呼ぶ
櫓は城郭を守るための拠点であり、一般には曲輪(くるわ)の隅の部分に作られることが多いです。
これは一般的に隅櫓(すみやぐら)と呼ばれます。
隅に建てることによって二方向の視界が開けるため、敵の動きがよく見えたり、迎撃したりするのに適しています。
この隅櫓は、よく方位で名前が付けられています。
例えば西北隅櫓(せいほくすみやぐら)、東南隅櫓(とうなんすみやぐら)といった具合です。
櫓を干支で呼ぶ
江戸時代には、北から時計回りに三十度毎に干支の名前を方位につけていました。
ご存じの通り十二支は、
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
(ね・うし・とら・う・たつ・み・うま・ひつじ・さる・とり・いぬ・い)
の12種類からなっていますよね。
子(ね)を北、卯(う)を東、午(うま)を南、酉(とり)を西に置きます。
そしてその間に丑(うし)、寅(とら)、辰(たつ)、巳(み)、未(ひつじ)、申(さる)、戌(いぬ)、亥(い)が置かれます。
なので、東北は丑寅(うしとら)、東南は辰巳(たつみ)、西南は未申(ひつじさる)、西北は(いぬい)と呼びます。
また丑寅は艮、辰巳は巽、未申は坤、戌亥は乾とも書かれます。
これを櫓の名前に付けると、例えば東北隅の櫓は丑寅櫓(艮櫓)、西南隅の櫓は未申櫓(坤櫓)とも呼ばれます。
犬山城の櫓の名称
犬山城にも方位が名前につけられた櫓がありました。
二の丸の一つである松の丸の東南隅には巽櫓(たつみやぐら)、西南隅には坤櫓(ひつじさるやぐら)がありました。
さらに、東谷曲輪の東北隅には丑寅櫓(うしとらやぐら)がありました。
江戸時代の絵図にもしっかりと名前が残っています。
この三つの櫓について、詳しくはコチラの記事に書いていますので、あわせてご覧ください↓↓↓
犬山城・丑寅櫓とは東北隅にある櫓という意味。東谷曲輪の北の隅にあったんだぜ。
犬山城・坤櫓とは西南にある櫓という意味。松の丸の西南隅にあったんだぜ。
犬山城・巽櫓とは東南にある櫓という意味。松の丸の東南隅にあったんだぜ。
まとめ
干支と方位って知ってるようで知らないと思います。
これは少し覚えておくと役立つことがあるかもしれませんね。
そして、櫓の名前には方位が付けられたものもあるということが分かったので、これからお城巡りをするときには櫓の名前も気にしてチェックしてみてください。
ということで、櫓には方位が名前に付けられたものがあるよというお話と、犬山城にもかつては方位が名前になった櫓が三つあったよ、というお話でした。
じゃあね🖐️
2019年06月25日
犬山城マイスター!たかまる。