城の石垣を強くするためには、最も重要な隅部(すみぶ)を強化する必要がありました。
そこで登場したのが算木積(さんぎづみ)です。
今回は、時代により進歩していった算木積みについて学んでいきましょう。
目次 閉じる
算木積(さんぎづみ)、石垣の隅部の積み方
算木積(さんぎづみ)とは、石垣の隅部の積み方のことです。
石垣全体の積み方ではありません。
石の長辺が短辺の二~三倍ある細長い直方体の石を用います。
これを長辺と短辺が互い違いになるように石垣の隅部に積み上げていきます。
また、短辺の隣には隅脇石(すみわきいし)を置いて、上下の長辺で挟み込みます。
こうすることで、隅部が一体化して強度が非常に高くなるのです。
これが算木積です。
算木積みの名前の算木とは、計算に使われていた棒のことです。
この算木という棒は江戸時代にも使われていましたが、隅石の形が算木に似ていることから、算木積みと呼ばれるようになりました。
算木積の進化
石垣が登場した頃から、隅部を強化する試行錯誤が続いていたようです。
はじめの頃は隅石は巨石を使っていることもありましたが、石の加工技術が発達するにつれて粗割石(あらわりいし)を使うようになりました。
広島城などで算木積みを試していた様子がみれますが、完成形には至っていませんでした。
その後、関ヶ原の戦いが慶長5年(1600年)に起こった後、石垣の加工技術と積み方が格段に進歩しました。
これにより、算木積も完成されていったと言われます。
また、天下普請(てんかふしん)で諸大名が石垣の技術を習得することによって、瞬く間に全国に普及していきました。
そして、隅部の石に切込接(きりこみはぎ)を使用する手法が編み出され、算木積が完成しました。
まとめ
石垣の隅部の積み方である算木積は、石の加工技術や積み方の発達とともに進化してきました。
石垣の強化のために、隅部の強化は欠かせなかったのです。
ということで、石垣の隅部の積み方・算木積みについてのお話でした。
じゃあね🖐️
2019年08月23日
犬山城マイスター!たかまる。