お城の土塁と石垣のコラボレーションの一つとして、鉢巻石垣(はちまきいしがき)や腰巻石垣(こしまきいしがき)というのがあるのをご存知でしょうか?
なにそれ?聞いたことがない!
という方はこの記事は必見です。
深掘りしていきます。
鉢巻石垣(はちまきいしがき)と腰巻石垣(こしまきいしがき)
- お城巡りをすると鉢巻石垣や腰巻石垣が出てくる
- 彦根城や江戸城で見られる
- 土塁の上部が石垣になったのが鉢巻石垣、土塁の下部が石垣になったのが腰巻石垣
お城の本などを読んだり、お城巡りをしたりしていると、鉢巻石垣(はちまきいしがき)や腰巻石垣(こしまきいしがき)という言葉が出てくることがあります。
例えば、彦根城や江戸城に行くとそれらを見ることができます。
では鉢巻石垣や腰巻石垣というのは何でしょうか?
鉢巻が石垣になっちゃったのでしょうか?
腰巻や腹巻が石垣になっちゃったのでしょうか?
答えはこちらの写真のようなものです。
深掘りしていきます。
鉢巻石垣(はちまきいしがき)
- 鉢巻石垣とは土塁の上部にだけ作った石垣のこと
- 土塁の上部の耐久性が上がる
- 頭の上のハチマキのように上だけ石垣なので、鉢巻石垣と呼ばれる
鉢巻石垣とは土塁の上部にだけ作った石垣のことです。
土塁が土を持って固めただけの防御施設なので、上に建物を建てることはできませんでした。
なぜなら土塁が崩れてしまうからです。
そこで考え出されたのが鉢巻石垣です。
これがあると土塁の上部の耐久性が上がるため、建物を建てることができるようになりました。
鉢巻とは読んで字のごとく頭の上のハチマキの事を指していますが、土塁の上部にだけ石垣があるためこのように呼ばれています。
土塁についてはコチラ↓↓↓の記事をご参考に。
腰巻石垣(こしまきいしがき)
- 腰巻石垣は土塁の下部にだけ造った石垣
- 水面の少し上の高さまで石垣
- 土塁が削られたり崩れたりすることを防いだ
腰巻石垣とは鉢巻石垣の逆で、土塁の下部にだけ造った石垣です。
水堀や川などに面している土塁では、その水によって土塁が削られてしまうため、土塁が崩れてしまう恐れがありました。
そこで水面の少し上の高さまで石垣で固めることによって、土塁が削られたり崩れたりすることを防いだのです。
鉢巻石垣と腰巻石垣の例
- 現在でも残されているお城がある
- 彦根城や江戸城にある
- 鉢巻石垣や腰巻石垣はコストを抑えつつ防御力を最大限に発揮させるための工夫
鉢巻石垣や腰巻石垣は、現在でも残されているお城があります。
有名な所では彦根城や江戸城です。
彦根城も江戸城も鉢巻石垣も腰巻石垣も両方ともがあるもので、これを特に鉢巻腰巻石垣と呼んだりもします。
見ての通り、土塁の上部を石垣で固め、さらに土塁の下部の堀の水面より少し高いところまで石垣で固めて崩れるのを防いでいます。
全て石垣にしたほうが強度が高くなりそうですが、すべて石垣にすると相当数の石材を調達しなければいけません。
調達するだけでもお金がかかりますが、さらに土木工事も大掛かりになってしまいます。
そのためコストを抑えつつ防御力を最大限に発揮させるための工夫として、鉢巻石垣や腰巻石垣が考えられました。
これにより資金などを節約しつつ、防御力の高いお城を作っていったのです。
石垣についてのおすすめの本です。要チェックですよ!
まとめ
- お城巡りをすると鉢巻石垣や腰巻石垣が出てくる
- 彦根城や江戸城で見られる
- 土塁の上部が石垣になったのが鉢巻石垣、土塁の下部が石垣になったのが腰巻石垣
土塁の上部だけを石垣にしたのを鉢巻石垣、土塁の下部だけを石垣にしたのを腰巻石垣と言います。
コストを抑えながら土塁の補強をすることによって、総石垣と同じような防御力を持たせることができるようになりました。
色々なお城で鉢巻石垣や腰巻石垣などが残っているところがありますので、お城めぐりの際には土塁にも注目してみると良いでしょう。
鉢巻石垣や腰巻石垣は、細かい案内板などがほとんどなので自分の目で確かめてみてください。
思いがけず発見すると「あった!」という感じで宝探しのような感じで楽しめますよ。
ということで、鉢巻石垣と腰巻石垣についての解説でした。
じゃあね🖐️
2020年01月29日
犬山城マイスター!たかまる。
たかまる。
「お城のすべて」は城郭検定の公式参考書にもなっていますよ。
「日本の城事典」はまさしく事典です。わからなくなったらこれで調べるという一冊。